続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

ジブリの哲学 鈴木敏夫

ジブリの哲学――変わるものと変わらないもの

ジブリの哲学――変わるものと変わらないもの

最近、Podcastで鈴木さんのラジオ『ジブリ汗まみれ』を聞いている。これがなかなか面白く、鈴木さんの教養というか賢さというか、人柄のにじみ出る良いラジオである。

探してみると、3大ジブリ巨星である宮崎駿高畑勲、そして鈴木敏夫の著作派いろいろあるようだ。3人が一体何を考え、感じているのか是非ともいろいろ読んでみたい。

そんなことでこの本に行き着いた。読んで感じた第1のものは著者は『観ること』と『言葉にすること』の秀才だということ。

短い言葉で、ありありとその場の空気や個人の人となりを伝える。これは実に難しい。でも著者の文章はすんなりと制作の現場を伝えてくれる。常に良く観察し、特徴を抽出して言葉に置き換える。そのトレーニングの賜物なのだと感じた。

こんな人だからこそ、ジブリの経営を支えてこれたのだろう。なんだか妙に納得した。

ところで、あとがきで著者を述べているがこの本は編集が絶妙である。いろんな雑誌の記事をかき集めた本のため内容にバラツキがあるはずなのだが、そこに一本の筋を通し通している。

にんげんに背骨を入れたような、そんな仕事で編集って大事なんだと感じた。