続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1章 三池崇史

杜王町、平凡な様で行方不明者が非常に多く不穏な空気が漂う町。昨日、杜王町へ引っ越してきた広瀬康一は、不思議な力(スタンド)を持つ少年、東方仗助と出会う。町では殺人鬼、アンジェロがスタンド能力に目覚め悪行の限りを尽くしていた。

前評判は最悪。公開されたら「意外と良い」との評価が見られるジョジョまさかの実写映画。これは自分の目で確かめるしかないと劇場へ足を運んだ。

結果としては、かもなく不可もなく。まぁ平凡な映画といったところだろうか。監督はよく頑張ってると思うけど、やはり漫画原作の実写映画化はなかなか厳しいものを感じる。

基本的には原作既読前提の映画だと思われる。スタンドの説明もざっくりだし、冒頭からピンクダークの少年をガッツリ出してくるなど、ある程度ジョジョという作品を知らなければ楽しめない。

肝心の「スタンド」だが個々のCGは非常によくできている。原作漫画そのままに3Dモデルが動くといっても良いだろう。問題は予算の都合なのか、今一つスタンドの出番がないところ。また、出番があっても「オラオララッシュ」などは動きが激しすぎてほとんど何をしているかわからない。どうも魅せ方が今一つ。

人間のほうも、コスプレにしか見えない衣装が辛い。いや、コスプレのほうがもっと上手に原作を再現してるんじゃあないだろうか。この辺は予告編でわかっていたからまぁなんとか飲み込めた。

ストーリーの改変は尺の都合があるので仕方ないだろう。ただ、ラストの改変はちょっとびっくりした。一応中ボスぐらいの位置付けの音石明はどうも出番がなさそうだ。第2章は結構独自路線で突っ走るのかもしれない。2作目のプロットがある程度まとまっているのか、とりあえず消化しておいたキャラも多い。彼らはきっと実写化されないのだろう。仕方ないのかもしれないが。

唯一評価できるのは、スペインでロケを行なったことだ。スペインの土地に日本の標識を立て、サラリーマン風の日本人を大量投入することで、あっという間に日本のようなものを作り上げた監督の発想はすごい。しかも、これが意外とジョジョっぽい(ジョジョ自体が洋画の影響をふんだんに受けているからだと思うけど)。

そんなわけで、良いとも悪いともいえない普通の映画にぼくのなかではなってしまった。続編を作る気まんまんの映画だし、続編こそ4部ラスボスが登場するはずなので見てみたいが、はたして実現するだろうか。また実現しても予算不足でこれ以上しょぼくなるとえらいことになる。この続編の監督は果たして誰になるのだろうか。