自閉症の世界 スティーブ・シルバーマン
ぼくたちの存在を嘆くみなさんの声は、僕たちにはそう聞こえます。回復を祈るみなさんの声は、ぼくたちにはそう聞こえます(シンクレア)
自閉症ってなに?
この問いにクリアに答えられる日本人は何人いるにであろうか?いや、世界中に何人いるにであろうか?
狂人か天才か。
自閉症、アスペルガー症候群。果たしてそれは病気なのか?どう定義すべきなのか?その歴史がこの一冊にまとまっている。とはいえ、文庫600ページを超えるこに分厚い本は、決して答えを提示しているわけではない。ただ、人類が到達した場所をその過程と共に示すだけだ。
この一冊から学ぶことは、真実に迫るのは科学者だけではない、ということだ。真実は、真実を求める者の前に垣間見える。
脳髄は人間の迷宮である。病も、奇跡も、紙一重なのかもしれない。