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続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

暗いところで待ち合わせ 乙一

 

暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ

 

2人ともお互いを知っていると気づいた瞬間から、たとえ無視をしようと、すでに触れ合うことは始まっていた

 

  視力を失い一人静かに暮らすミチル。彼女のもとに殺人事件の犯人として追われるアキヒロが転がり込む。こうして奇妙な共同生活が始まったのであった。

  乙一らしい「社会から居場所を失いかけている人間」を描いた作品。人と関わることを恐れ、世の中から逃げ回る。どんな人間にもそういう気持ちは大なり小なりあるのだろう。しかしこの気持が大きいとどうにも生きづらいのが今の世の中である。

  だからどこかに1箇所ぐらい、社会から逃れる場所がほしい。物語の最後でアキヒロはそれを見つけたのだろう。一方、ミチルは逃げ続けた社会に再び挑戦する心を得た。方向性はちがえども、それぞれが社会とのあり方を見つけていく。そんな物語なのだと感じた。