続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

不道徳教育講座 三島由紀夫

理解されようと望むのは弱さです(著者)

名文家、三島由紀夫が説き伏せる「悪道のすすめ」。幅広い知識を持って、一流のウィットを効かせて、世の常識をくつがえす。何事も、逆説的に考えてみるものだ。意外と論は通ってしまう。その繰り返しの中で一体何が正しいのかわからなくなってくる。著者の文章はお酒のようだ。毒だが美味い。読み耽っているとクラクラしてしまう。

一体何が正しいのか。改めて問われるとぼくにもよくわからない。しかし、それが自然なのかもしれない。人間が作り上げた正義や悪はほんとうはないのだ。ただ人間がいるだけで、そんなルールはないのだ。正義や悪のもとに生きる生物があるだろうか?

ああ、どうやら酔ってしまっているようだ。少し酔いを覚まして眠ることにしよう。二日酔いでは生きていけない。