続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

地球から来た男 星新一

地球から来た男 (角川文庫)

地球から来た男 (角川文庫)

『住み心地はどうだい』

星新一ショートショート
さらりとした文章で、特異な人生に翻弄される男たちが描かれる。

表題作では、地球で罰を受け星外へ追放された男が描かれる。しかし、追放先は地球そっくりなもう1つの『地球』であった...
ごくごく普通の人でありながら、男はどうしようもない孤独を感じる。なにも問題はない。ただ、この『地球』は自分の故郷ではないのだ。誰とも分かち合うことのできない孤独。彼に救いはあるのだろうか。

その他、様々な形で運命に翻弄されある種の孤独を抱えた男たちが描かれる。特殊ででありながら何か親近感の湧く男たち。現実にも同じような孤独はまん延しているのかもしれない。