Death Note light up the NEW world
デスノート Light up the NEW world オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: やまだ豊
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2016/10/26
- メディア: CD
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大人気漫画デスノートはパラレルワールドを描いた映画シリーズも成功した。そして10年の時を経て公開された映画シリーズの続編がこれである。
キラ事件から10年が経過し、今度は世界中に6冊のノートがばら撒かれた。そして10年前と同じ事件が起き始める。キラの後継者、Lの後継者もあらわれる。キラ事件捜査本部の三島はLの後継者である竜崎(仮名)と対立しながらも事件を追っていく。
で、結論からいうといまひとつ。映画館に行くことはなかった。金曜ロードショーを待つべきでした。デスノートの面白さ感じられない。
デスノートの面白さは緊張感だと思う。キラとLという天才2人の駆け引きが面白いのだ。「お前・・・ひょっとして・・・」とか「こいつ・・・まさか・・・」というのが面白い。リアリティ重視の世界観に、ファンタジーなデスノートと死神を放り込むことでこの駆け引きをわかりやすく、おもしろくしている。
今回の映画にも緊張感はある。しかし、それは質の違う緊張感だ。Lの後継者である竜崎はガラが悪い。こいつが声をあらげ、三島にくってかかり、すぐ銃を抜く。その粗暴な感じで緊張感が生まれている。そういう緊張感は求めていない。なので作品全体として「推理バトルもの」というより「アクションもの」の雰囲気になっている。アクションだと割り切ってみれば面白いのかもしれないが。
その他、ちょこちょこと気になることが多かったので羅列しておこう。まぁぼくが読み取れていないだけかもしれないので、バカなことを書いているかもしれない。
①竜崎のキャラ
これは明らかに原作マンガのメロを意識しているのだろう。しかし、Lとの共通点(チョコ好き、目的のためなら手段を選ばない、など)をあまり見いだせず、後継者らしさを感じられない。
②キラの目的
作中では後継者自身ではなく、彼に指名されたキラの使者が主に活躍する。しかしキラが6冊のノートを集める理由がよくわからない。粛清を行うだけであれば1冊のノートで事足りるのだ。リスクを犯して他のノートを取りに行くより、じっくり構えて体制をッ整えていくべきではないだろうか。まあ弥 海砂のようなこともあるので回収しておくに越したことはないかと思うが。
③死神はどこへいった?
今回は地上に6冊のデスノートがばら撒かれる。確かノートが人間の手に渡った場合、死神はそのノートと所有者の末路を見届ける掟になっていたはずだ。しかし、作中に出てきた死神は3体のみ。そのうち1体はちょっと出てきてすぐ姿をくらませてしまった。全然ノートの末路を見届けてないけどいいんだろうか?まぁ予算の問題かもしれないが。
④ロシアとアメリカのノート
6冊のノートのうち4冊は日本に落ちたが、2冊はアメリカとロシアにそれぞれ舞い降りている。この2冊は割とサクッとキラの使者が回収されてしまう。詳細も描かれない。ただ、使者はどうやら直接現地へ赴いてノートを回収しているようだ。所有者や死亡した日は竜崎が割り出している。渡航記録を調べれば、ある程度犯人(キラの使者)を特定できそうな気がするのだが。
ついでに、このキラの使者の頑張りであっさりとノートはキラ陣営4冊、L陣営2冊という状態になる。6つの組織による複雑な駆け引きとかは全くなかった。ストーリー上はノートが2冊でも十分っぽい。
⑤竜崎からのメッセージ
これが最大の疑問。竜崎はキラの使者とのコンタクトに成功し、CG画像にメッセージを仕込む。「最後のノートの所有者は私だ」と。で、これをきっかけにキラの使者が脅しを書けてくる。Lのノートと警察が保管しているノート、2冊のノートを渡さなければ大量に人を殺すというのだ。Lは逆にこれが犯人と接触するチャンスと見て行動する。
必要か?自分が所有者であることを明かすことが?警察の保管する1冊だけを使者に伝えて取引を組めばいいんじゃないのか?最後の1冊はキラの使者からすれば世界中のどこにあるのかもわからないんだし。
しかもこの隠しメッセージは、あっさりと三島に解読されてしまう。その程度の暗号化で大丈夫か?このCG画像は不特定多数に公開されているのだ。このあたり、竜崎の手腕がビミョウすぎてLの後継者を名乗るには苦しい感じが否めない。
他にもいろいろあるのだが、たぶんそのあたりはHuluで公開されているスピンオフドラマを見れば解決するのだろう。これも個人的にはマイナス評価。映画はひとつの作品として完成させてほしい。合わせて観ないとわからない、というのはなんだかずるい。
結局、なによりも衝撃だったのは、デスノートの連載がもう10年以上前だということだった。年取ったなぁ。