西巷説百物語
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/08/25
- メディア: Kindle版
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死は穢れではない。
死体が腐るだけだ。
百物語シリーズ第4弾。主役は又市のかつての相棒、霞船の林蔵。そして舞台は上方へ移る。
舞台や主役が変わったことで作品の雰囲気が随分と変わっている。又市と林蔵はよく似ているが手口は違うのだ。また、今作では各話の視点は事件に関わる人物である。必然、読者は彼らの視点で物語を読み進める。そうして気づくのだ。仕掛けられていたのだ、と。
個人的には『豆狸』が良い。人の心は善であっても、善であるが故に迷う。迷った善人の心を闇の住人たちが元の道へと導く。いままでに無い、心ふるわせられる内容であった。