続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

少し変わった子有ります 森博嗣

少し変わった子あります (文春文庫)

少し変わった子あります (文春文庫)


『間違っていることはわかっても、正しいものがはっきりと見えるわけではありません』(
黒髪の女性)

不思議な、不思議な小説だ。

主人公の私は大学教授。後輩の荒木の紹介で店名が無く、場所は間借りで、女将しか居ない、そしていつも見知らぬ女性と食事を共にする謎の店を訪れる。

そこは現実から切り離され、精錬された落ち着いた空気の漂う店であり、私の思考を鋭敏にさせる。

こんな夢のような体験ができたらいいのに、と思った。すなわち、これは森博嗣流『贅沢の極み』なのかもしれない。