続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

死ねばいいのに 京極夏彦

文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)

文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)


『本当に死ねばいいのは、俺じゃないすか』(ワタライケンヤ)

タイトルからして『なんじゃこりゃ!?』って感じの小説。

一人の女が殺された。そして、謎の青年ワタライケンヤは関係者に女のことを聞いて回る。

女は不幸であった。徐々に明らかになる女の置かれた状況はまさにこの世のどん底であった。しかし、ワタライケンヤは彼女が幸せであったという。

京極夏彦らしい、血なまぐさい謎の提示。そして、京極夏彦らしい解答が描かれる。ヒトの心の闇に潜むものは果たして。

連載時は『五人目』で終わっており、最終章である『六人目』は文庫本の書き下ろしであるようだ。これがあるかないかで、ずいぶんと作品の印象が変わると思う。