赤めだか
- 作者: 立川談春
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 文庫
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『最期には己の人生と己の語る作品がどこでフィットするか、この問題にぶつかってくると思います』(立川談志)
立川談春一代記。そう見せておいて、実は師匠談志を語る一作である。
競艇選手に憧れる佐々木少年は、ふとした拍子に落語と出会う。談志に惚れ込み、高校中退して弟子入り。過酷で理不尽な前座修行が始まる。
修行といえばの苦労話に格好をつけて、端々にでてくるのは師匠・立川談志のエピソードの数々。あまり語られることのなかった、厳しさと優しさを兼ね備えた師匠としての立川談志である。談志本人はそんな表現を絶対認めないだろうが。
非常に読みやすく洗練された文章で、しゃべりがうまい人は書くのもうまいもんだと感じた。落語の世界、というものがスッと頭に入ってくる。落語に興味がない人もどうか一つ手にとってもらいたい。