続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

アイアムアヒーロー

『ぼくが君を守る』(鈴木英雄)

ぼくの中でこのGW思いがけず話題になった映画第1位。シビル・ウォーと同レベルで盛り上がるとは思わなかった。これは見ないと、と思い映画館へ。

もともと原作漫画も好きで読んでいるので、少々不安がらあった。最近の漫画原作映画のことを思うと厳しいものを感じる。しかしこの作品は、そんな不安も吹き飛ばすいい映画である。原作のいい所を活かし、1本の映画としてコンパクトにまとめた佐藤監督は素晴らしい。久しぶりに邦画を見てよかったと思えた。

お話は原作のショッピングモール編まで。最初の1/3はジャパニーズホラー風味。後ろ2/3はハリウッド風のアクションホラー。この融合も鮮やかで、ほとんど違和感を感じなかった。

ショッピングモール戦はジョージ・A・ロメロ監督のDawn of the deadを現代日本映画の技術で焼き直した感じ。この辺、ゾンビ映画の原点を作り上げたロメロ監督の凄みを感じた。ラストの展開を原作漫画から変更したのは、映画としての見せ場作りもあるが、ロメロ監督の呪縛から逃れたいという監督の意志のように感じる。

突っ込みどころは多々あるけれど、全体としては纏っていて、誰でも楽しめる映画なのではなかろうか。むしろ、富士山付近の道路に突然現れるショッピングカートとか、割と簡単に心を許すヒロインとかを楽しむことで後の恐怖シーンが生きてくるというもの。

唯一不安は、続編を作る気まんまんに感じるところ。これ1本で勝負したほうがよかったのではないだろうか。でもやっぱ詰め込みすぎになるのかなあ。