続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

斜陽 太宰治

斜陽

斜陽

『おいしいの?お酒が。』(私)
『まずいよ。』(上原)

太宰治の作風はロックである。常に自分の置かれた状況に満足できず、何かを変えようとやっきになっていた。それでいて何もできず、自分の無力さをニヒルに嗤うのだ。どうもこの作風は思春期の少年を強く惹きつけるようである。

本作では戦後の動乱を生きた四人の登場人物の数奇な運命が描かれる。それぞれの苦悩、それぞれの思想。人の世の複雑さ。個人の単純さ。

何かに迷っているなら、太宰作品を読むと良い。答えはないが、考えるきっかけがそこに詰まっているはずだ。