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続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

犬神博士 夢野久作

犬神博士 (角川文庫)

犬神博士 (角川文庫)


『男はミンナ二本棒や。おおイヤラシ』(チイ)

大道芸人の息子チイは、親子で風俗壊乱踊りを踊って町々を巡る。乞食商売でお世辞にも幸せと言えない生活ながらもチイは逞しく生き抜いていく。そしていつしか彼は大きな戦いのど真ん中に立つことになるのだった。

福岡を舞台に、主人公チイをトリックスターとして、体制と民衆の闘いが描かれる。特にあふれんばかりのエネルギーをもつ民衆の描写は見事だ。

チイは運命に翻弄されながらも必死に我を貫いていく。個人的にはその姿が手塚治虫どろろと重なった。チイもどろろも、物語の結末は描かれないが、きっと強い意志で民衆の力を束ねていくのだろう。