塗仏の宴 宴の始末 京極夏彦
「ただひとつ違うところはなーーー」
「ーーー貴様は愉しんでないが」
「ーーー私はーーー娯しんでいる」
「宴の支度」からの続き。相変わらずのレンガ本で、後編は短編集ではなくいつものスタイルで一気に物語を駆け巡る。
前篇でぼんやりとつながりを見せてきた事件は、次第に、着実にその深い関係性を魅せてくる。キーワードがつながる。しかし全貌は視えてこない。
そんな中、シリーズおなじみのメンバーはさらに深く個々の事件に巻き込まれていく。あるものは知り合いの相談に乗って、あるものは自分なりに事件を追って、ある者は取材のため・・・。過去の作品からの登場人物も脇を固めさらに物語を盛り上えげていく。
あいからずこのシリーズのラストは凄まじいスピードで展開していく。ラスト300ページほどはあっという間だ。一見未関係に見える事件群には一体どんな関連があるのか、事件の裏で糸を引いているのはいったい誰なのか、そもそもこの事件は何故起こっているのか、なぜ京極堂の縁の者達はこの事件に巻き込まれているのか?ワクワクしながらページを捲った。