美女と竹林 森見登美彦
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/12/09
- メディア: 文庫
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「ええよ」(明石氏)
これからは竹林の時代である。それに気づいた登美彦氏は多角経営を視野に入れ、竹林を刈りつつ、竹林伐採エッセイもついでに書いてしまうという、なんだかよくわからない仕事に挑むのであった。
ひょうひょうとした文体で描かれるエッセイ。どこまでが本当で、どこからが妄想なのか。なんとも言えない面白さが続く。
森見登美彦の面白さの1つは擬音の表現ではないだろうか。「ぷつぷつと呟く」、「ふわふわしたタケノコ」、「ぴっぴっとビームを出す」というような表現が文章に独特の雰囲気を与え、なんともゆるく楽しい気分にさせてくれる。
結局、あんまり竹は刈っていないし、美女要素も無理くりねじ込まれてあんまり竹とは関係ない。しかし、本書を読めば「美女=竹林」の方程式が体に刷り込まれてしまうだろう。作者の驚異の妄想力と文章力に、肩の力を抜かざるを得ない。