続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

新興宗教オモイデ教 大槻ケンジ

 

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

 

 

『爆弾って何よ?』(ジローの妄想の中のなつみさん)

 
大槻ケンヂ初期の中編小説。ボンクラどもに捧ぐグチャグチャの青春を描くスタイルはすでにビンビンに確立されている。あ、このころはまだ大槻ケン『ジ』だったのね。
 
メグマ波と呼ばれる人を狂わせる怪電波(?)を操る新興宗教オモイデ。主人公ジローは好きな女の子にノコノコついて行った結果、メグマ波を操る宗教抗争に巻き込まれていく。
 
人はみんな自分に力があると思いたい。自分の力が何かを変えれると信じたいのだ。でも、一方で『自分はちっぽけな人間なのだ』と気づくときが必ずある。『それでも』とあがくのか、『それなら』と諦めるのか。人によって答えは違うのだろう。この本ではメグマ波という力の前に、色々な形でもがく人々の姿が描かれる。
 
結局誰が正解なのか、ぼくにはよくわからなかった。でも、わからなくてもいいのだろう。