英国王のスピーチ
「変な奴だ」(ジョージ6世)
「褒め言葉です」(ライオネル)
王様をやるっていうのも大変なものだ。
英国王ジョージ6世は重度の吃音症(どもり)であった。しかし、王たるもの力強い言葉をもって、国民を束ねていかねばならない。さらに時代はナチスの台頭に伴い、第二次世界大戦へと突入していく。
彼を支え、吃音症の治療に取り組んだのはオーストラリア帰りの医師、ライオネルだった。独特のスタイルの診療を行うため少々うさんくさく見えるライオネルをジョージは次第に信用し、ついには友なり一緒にスピーチに臨む。
仕事の枠を超え友として問題に取り組む、というのはありがちなテーマだが、個人的には大好きだ。人と人は本質的には分かり合えないかもしれないが、同じ方向を向いて協力し合うことはできるのだ。
人前で話すというのは大変なことだ。ぼくみたいな小心者はクラスの前に出て発表するだけで縮み上がってしまう。国民へ向けての放送ともなれば、そのプレッシャーは計りしない。国の指導者というものの重みをちょっと知った気がした。