続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

絡新婦の理 京極夏彦

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

『ーー我々は糸に絡めとられている』(中禅寺秋彦)

京極堂シリーズ第五弾。いつにも増して分厚く、そして今までの集大成ともいうべき物語だ。

本作の犯人は、シャーロックホームズに対するモリアティ教授のように、光と闇、対局に位置し、京極堂と本質も同じにする強敵だった。本作のラスト、犯人との邂逅のシーンは実に印象深い。桜の木の下で、犯人も京極堂も、きっと何か救われたのではないかと感じた。