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続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

グーグーだって猫である 小説版 犬童一心

 

グーグーだって猫である 小説版 (角川文庫)

グーグーだって猫である 小説版 (角川文庫)

 

 

「みんながしあわせになれる漫画って、なにそれ。みんなって、だれ?」(小島麻子)
 
ひとりの漫画家とそのアシスタントを中心に、シンプルにー、コンパクトに、「生きる」というテーマを扱った作品だと思う。タイトル通り猫もでてくる。猫は飼い主の人生において、一体何の意味を持つのか。本作から感じるのは、飼い主の人生の「あそび」を担う猫の姿だった。
 
あそびとか余白は大切なものだ。本体だけをぎゅうぎゅうと詰め込んでも、仕上がりはよくない。あえてあそびを作ってやる方が、本体が際立つのだ。
 
勝手気ままに生きる猫は、ただただ飼い主に手間を掛けさせるだけかもしれない。旅行に行くのも一苦労だし、散歩に出すのも都会じゃあ怖い。でも、その一見無駄に思える手間こそが、飼い主の内面を際立たせるのだろう。その手間をかける姿にこそ、その人の本質が垣間見えるのだろう。
 
人生は辛いことの繰り返しだ。そこで硬くなってしまっては、ひとは負けてしまうのだろう。あそびをもつことは人が生きる上でとても大切なことなのだ。そんなことを思った。