さくらん 安野モヨコ
江戸のおいらんを描いた漫画。何年か前に映画のほうをみて、 なんだか色々と考えさせられたものだった。 おいらんという存在を金魚に例える表現と、 夢と現の狭間のような映像に感動したことも覚えている。
しかし、これらは映画でのアレンジだったらしく、 こちらの原作では遊廓という独特の世界を生々しく描くことにテー マがあるように感じた。
ぼくらの感覚からすれば『えげつない』世界の中で、 主人公のきよ葉は順応し、たくましく生きていく。 少し極端ではあるが『生きる』 ということを見事に描いているのではないだろうか。