続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

失踪Holiday 乙一

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

『なんて子供っぽい、いいやつらなんだろう。』

14歳の冬休み、私は居なくなったー。
そんな挿絵で始まる中編小説。個人的には乙一らしくないかな〜、とも思ったが、それはそれで貴重な作品なのかもしれない。全体に漂うゆる-い雰囲気とは裏腹に、物語自体は加速度的に展開して行く。それでいて、きちんと伏線は張り巡らされているのだ。そしてしっかり回収される。どうもこの『きちっ』とした感じが乙一らしくないのかもしれない。読んだあとに少しモヤモヤを残しつつ、それでいて爽やかな乙一作品らしくない。
そんなわけで個人的にはちょっと物足りないなかった。とはいえ、作者の初期の作品であるし、現在とは方向性が違うのかもしれない。