続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

メトロポリス

メトロポリス (角川文庫)

メトロポリス (角川文庫)

よ よくも よくも よくも ぼくをつくったな この悪魔め(ミッチィ)

マンガの神様、手塚治虫の初期の作品。
人間の科学が発達し、ついに人間となんら変わりのないアンドロイド『ミッチィ』が誕生する。しかし…

という今時ならどこにでもありそうなお話。
しかし、これが発行されたのはなんと1949年。wikiによれば、穴のあいた五円玉が始めて作られた年だとか。そんな時代に『アンドロイドの苦悩』を描こうなどとだれが想うだろうか。しかも藤子不二雄のあとがきによれば、この時代漫画=笑いでもあったらしい。そこに漫画で悲しいお話を描くことに挑戦し、成功した手塚治虫はやはり天才としか言いようがない。一体頭の中で何を想像し続けていたのだろうか。ほんと、漫画の神様である。