続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

根っこが大切

根っこが大切だと思うメモ。

研究をしていると、研究室の中なり外なりで内容を発表する機会が設けられる。良いことは色々あるが、知識や考え方の異なるいろいろなヒトの眼を通して問題点を洗い出し、思い込みや勘違いをつぶしていく、というのがひとつの大きな利点であると思う。これは泥水を濾過して飲める水にするのによく似ていて、いろんなヒトというフィルターを通して一人では偏りがちな研究内容から本物だけを抽出していく訳だ。

泥水の濾過と違うのは、フィルターを通過する条件が各個人の「納得」であることだ。

ヒトの理解を得て、納得してもらうのはすごく難しいことだと思う。自分自身の主張には必ず根拠となる証拠を用意するわけだが、自分の用意した証拠だけで相手の納得を得られるとは限らない。相手は自分とは違う視点をもってる。同じものを視てても視点が変われば違うものに見えることもある。

「納得」を得るには相手が「ナゼ?」と思っているところを一つ一つ解決していくのがいい。そのために、証拠の証拠、証拠の証拠の証拠、と次々さかのぼって「ナゼ?」を解決しつつ、自分の考えた道筋を示していく。証拠が品切れになってしまったら終了だ。フィルターを通過できず、その部分は今後さらに深く検討を進めるか、諦めるかの二択に持ち込まれてしまう。

つまり、自分の主張を通すには、その主張がどれだけ深く証拠に根ざしているかにかかっている。前だけを見て突き進むのも最初はいいが、時々振り返って、たまにはスタート地点よりも後ろに下がってみるのも大切かもしれない。