続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

スカイ・クロラ Sky Crawlers [森博嗣]

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

「綺麗だ」「気分が」

スカイ・クロラシリーズ第一弾。やっぱりシリーズ物は発行順に読むべきかな、と思うので改めて読むことに。

永遠の命を生きるキルドレ・カンナミのパイロットとしての生活が淡々と描かれる。独特の世界観の中で、ポツリポツリと見える彼やその周囲の人々の人生観は、当然ながら僕たちの住む世界とは大きく違い、実におもしろい。

文章は非常にシンプル。一方で想像の余地が十二分に残されていることがこのシリーズの面白さを引き立てている。きっと読む人によって作品中に生きるキャラクターの人生観は少しずつ違ってみえるのだろう。そして読み返すたびに新たな人生観を見出すことになるのだろう。

まだ2作しか読んでいないけれど、「永遠い命」というありがちなテーマでありながら、作者の独特の切り口で「答え」に迫ろうとする感じがする。同時に「生きるとはどういうことか?」というテーマにも迫っているような気がする。このシリーズで森さんはどこへ行き着くのだろうか。それとも迷い続けるのだろうか。いづれにせよ、早く残りのシリーズも読んじゃいたいと思います。