続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

ポニョ

金曜ロードショウでポニョをみてました。ぼく個人としてはすごく好きな映画。ストーリーがよくわからんっていう人もいるけど、ぼくはそれは「ジブリ」というか「宮崎駿」らしさがよくでた結果だと思う。

宮崎駿らしさ」というのはあえて支離滅裂に見せかけることだと思う。原因→結果という因果関係をあえて取っ払う事で(しかし作り手として当然しっかりとした「裏設定」は作りこんであると思われる)、観客にストーリーも含め多くのものを委ねるスタイルだ。作品の中では原因や結果が断片的に示される。全体としての方向性はやんわりと示されるのだけれど、ただ見ているだけではなんだか違和感があるというか、腑に落ちないところだ出てくる。

ここで「わけわかんねーよ」としてしまうとポニョはおもしろくなくなってしまう。自分で考えなければならない。そしてそれがおもしろい。人は想像し創造することを楽しむ生き物だ。ただ、正解はあるようでない。宮崎監督は答えを教えてくれないし、それが監督の狙いでもあるのだと思う。大切なのは「考える事」であり「創造」することなのだ。宮崎監督はポニョは子供たちのための映画であるといっている。それは子供たちの方が想像力が豊かで、物語を、ポニョの世界を創るのに向いているということであるとともに、この映画を完成させる担い手は子供たちであるということなのだと思う。そしてこの想像し、創造することこそ子供たちに必要なことであるとぼくは思う。

ポニョがつまらないと思うヒトは納得のいかない部分を自分なりにどう解釈できるのか考えてみるといいと思う。想像すること、創造することの楽しさを味わえればジブリ映画は、もっとおもしろくなるはずだ。


〜追記〜
個人的にポニョの登場人物ではフジモトが好きだ。人を嫌い、グランマンマーレを愛し、海の眷属として生きる道を選んだ彼。しかし、マンマーレのために海の魔力を精製し海を浄化したり、嫌われながらも娘のために奔走したり、努力の割には空回りが多かったりと彼はやたらと人間くさい。ぼくはあんな親父になりたいと内心ちょっと思っている。

あと、ポニョの劇中の波(水)の表現はすごいと思う。特にポニョが宗佑の家に来るとこの魚の波とか。あんなに生き生きとした水の表現は初めて見た。もうこれが見れただけでお腹いっぱいといっても過言ではないと思っている。