続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

パントマイム

 ごきぶら観てたらパントマイマーの中村ゆうじさんが出てきた。パントマイム講座みたいなのがちょっとあって、その内容に感動したのでメモ。

 中村さんいわく、パントマイムの上級者と初心者の壁はわかりやすいのだという。例えば壁をつくるおなじみの動き、ただ壁を作るだけなら誰にでもできるのだ。しかし、これが壁を乗り越えようとしたり、壁の上から向こう側を覗き込もうとすると難易度が別次元になる。「芸そのものを見せること」より「なんらかの表現のために芸を用いること」のほうが難しい。芸は目的を持つことでその価値が高まるのだ。反面、「芸そのもの」の魅力はやや薄れてしまうと思われる。しかしその方がいいのだろう。どんなものでも、一番大変な部分は隠れているものだ。それこそ水鳥が一生懸命水面下でがんばっているように。

 そんなわけで目的の見いだし、その本質を目的の中に内包しないものは初心者と上級者の壁を乗り越えることができない。また、逆に物事の本質はぱっと見ではわからない。また、ぱっと見で見えてしまうような本質は、所詮その程度のものなのだ。ぼくの大好きな「星の王子様」にも通じるところがある。やはり、表面的なものに流されてはいけないのだ。