思考の整理学

思考の整理学 (ちくま文庫)

考えるということは、どういうことか

　”考える”ということを考える一冊。「頭の使い方」を考えているともいえる。読んでみると、たぶん誰しも一度はこんなことを思ったことがあるだろう、というような内容が多い。しかし、それをきちんと整理し、考え、思考のレベルに高めていることに驚かされる。ぼくたちが普段なんとなく感じていたことの裏に、そこんなおもしろいものがあったのかと思わされる。
いつもやたらと難しい顔をしている人たちや、あとできるだけ若い人に読んでもらいたい。考えるということのホントの意味に少し近づけると思う。

　余談だが、全部読み終わった後で初版が1986年であることに驚いた。まだコンピューターなんてものもほとんど浸透していない時代に、コンピューターの本質およびコンピューターと人間の違いの本質を完全に見抜いている著者には脱帽。